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仕事と子育てとの両立を模索してみつけた「複業」という働き方。ライフスタイルに合わせ柔軟な選択ができる

<プロフィール>

田原未沙記(たはらみさき):情報系企業の会社員として週2日勤務をしつつ、個人でも編集・ライターとして活動中。東京在住、一児の母。

Twitter:https://twitter.com/Chakimama1

note:https://note.com/chakimama



条件に合う転職先が見つからず、複業にたどり着く



複業を始めたきっかけは?


私の場合、仕事と子育ての両立が大きなテーマでした。これは子育てをしながら働く女性に共通する悩みだとも思います。

今小学1年生になる娘がいますが、3歳以降は保育園に入ることができず、職場復帰したものの仕事と子育ての両立が上手くいかないようになりました。このままではまずいと、働き方を変えようと思ったのが複業を始めたきっかけです。

はじめは転職を考え、編集に携わってきた自分のキャリアを活かしつつ時短勤務ができる仕事を探しました。しかしなかなか条件に合う仕事が見つからず、子育て中というだけで仕事を諦めなければいけないのか、と悩んでいた時に在宅ライターの仕事を見つけたんです。働く場所に縛られなければやりたい仕事ができるかも、という発想に切り替わりすぐに応募しました。

ライターの選考を進める一方で、働いている会社にも複業について相談・交渉をしたのが2018年秋頃のことです。そして会社にも新しい働き方を認めてもらうことができ、12月から本格的に複業を開始しました。

現在はどのような仕事を?





会社員として編集の仕事と、個人でライターの仕事をしています。

会社の方では、専門誌の編集や執筆に携わっています。個人の仕事としては、自分の経験をもとに就職・転職、採用関連といったキャリア系の分野を中心に執筆しています。

私は週2日勤務+αという働き方なので、どちらが本業でどちらが副業というのではなく、複業・パラレルワークと呼ばれる働き方に当たると思います。

会社への申告はどのように?


当時子供が預かり保育のある幼稚園に通っていましたが、元々の週5日勤務だと育児と仕事の両立が難しいことをオープンに伝え、働き方を変えたいこと、在宅の仕事と両立したいことを具体的に相談しました。

会社の規定では副業を認めておらず、実は数年前にも副業を打診した時に許可が下りなかった経緯もあったんです。だからダメ元ではありましたが、ちょうど2018年頃「パラレルキャリア」という言葉がメディアでも目立ち始めた時期だったので、そういう世の中の変化も後押しになって認められたのではないかと思います。

私の会社は規模が小さく専門性の高いベテラン社員が多いので、個人のやりたいことを尊重してもらいやすい環境だったことも大きいかもしれません。

複業に大切なのは、自己管理と価値の提供



スケジュール管理はどのようにしていますか?


この働き方を始めてから朝型の生活になりました。子供や家族が起きている間は自分の時間が作れないので、4時台~5時台に起きて1人の時間を確保するようにしています。隙間時間で調べ物をし、情報収集やアイディアを考える時間には2つの仕事が入り混じることもあります。まとまった時間を取りたい時は2時半頃に起きて執筆時間を確保することもありました。


スケジュールやタスクについては、GoogleカレンダーとTodoリストで一元管理しています。以前は紙の手帳を使っていましたが、やはりデジタルの方が何かと便利です。デバイスは仕事別に分けていません。フォルダを分け、優先順位が分かるようラベルで区別していますが、パソコン・タブレット・スマホと、デバイスは同じものを使っています。


個人でのライターの仕事はどのように活動していますか?



複業のきっかけになったライターの仕事は現在も続けています。それ以外に、SNS経由で依頼をいただいたり、そこで繋がった方からの紹介や、ライター募集に応募したりもします。

ライターという仕事は、結局は質の高い文章を提供することに行き着くのかなと、最近改めて感じるようになりました。コロナ禍で在宅ライターを副業として始める方も増えていますが、やはり丁寧で満足度の高い原稿を納品することがライターの価値であり、そういう人に仕事の依頼が集まると思います。

私は生産性を高めるために執筆スピードを上げる努力を1年以上続けたこともありましたが、結局速く書けるようにはなりませんでした。それでもお客様からはありがたい声をいただけるので、今は良い文章を提供することが本質で、速さだけがスキルではないという考えに至っています。


複数の仕事に関わることで得られる相乗効果


掛け持ちで働くことでの変化や影響を教えてください。


仕事の面では、会社の中で得られるスキルと個人の仕事で得られるスキルの相乗効果が大きいです。会社で得た経験や知識を個人の仕事に活かせますし、その逆も多々あります。編集とライターという近い職種でもあるため、相互にプラスの影響を感じます。

先日、個人の仕事で知った最新のオンラインツールを社内に紹介して評価されたこともありました。自分が関わる場を複数持つことで相乗効果を得られるのは、私自身にも会社にとっても良いことだと思います。

悪い影響としては、どうしても1つの仕事だけに集中できないことでしょうか。もう少しスケジュールを上手に管理し、効率よく進めていきたいと考えています。


ご家庭への影響はありますか?



子育てと両立しやすくなったことが一番大きな影響です。

一般的には週5日の本業+副業という形が多いと思いますが、私の場合は会社の仕事を少しセーブした上で別の仕事を組み合わせているので、時間的に柔軟に動けるようになり、平日の子供関連の用事にも行けるようになりました。

以前は子供が体調不良の時、夫とどちらが仕事を休むかで険悪になることもありましたが、今は私が対応できるのでお互いの関係性も良くなったと思います。

ただ、私の納期の関係で、どうしても夫に子供を任せて土日に仕事をすることもあります。フリーランスだと休みはあるようでないものだと分かっていましたが、そういうことが続くと家族に申し訳なく思います。定まった休日がある会社員とは違い、複数の仕事を組み合わせた働き方をしている以上、大きな課題ではあります。


今後将来に向けてやりたいことはなんですか?


子育てと両立しつつ、長く働き続けていきたいです。

実は今の働き方にそれほどこだわりは無く、子供がもう少し成長して大きくなれば仕事の量を増やすか、違う業種にもう一歩踏み出してみたいとも思います。ライフスタイルの変化に合わせて、フレキシブルに動いていけることが理想です。

今はライターとしてのキャリアを積んで足固めしている段階なので、自分ができる仕事の幅を今後さらに広げていきたいですね。


副業を考えている方へ


これから副業を始めようと思っている人にアドバイスをお願いします。


副業って難しそうなイメージがあるかもしれません。ですが、実際はどんな人でも始められるし、できる人とできない人の差は「一歩踏み出すかどうか」だと思います。

やりたいと迷っていることを少し調べてみたり、興味のあることを口に出してみたり、そんな一歩が大事ではないでしょうか。そうすることで周りからのアドバイスや紹介にもつながるので、はじめはあまり気負わず試してみるといいですね。

それに副業は本業があってのものなので、転職に比べれば気軽にチャレンジしやすいはずです。小さく始めればリスクも小さくできますし、自分にもできるものなんだという理解がもっと広まればいいなと考えています。








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